・coaching(コーチング)

コーチングとは

1.ゴールの設定について

  • アンセルフィッシュ(自己中心的でない)なゴールの重要性:ゴールはアンセルフィッシュでなければならないと述べられています。セルフィッシュなゴールは地滅であり、自分以外の人に良くないことをゴールにしても成功するはずがないと説明されています。アンセルフィッシュなゴールを設定した人は、マインドが適切に働き、成功しやすいとされています。多くの人が幸せを感じるのは、自分以外の人が幸せになる時であるとも言及されています。アンセルフィッシュなゴールを持つ人は、達成までの過程も幸せであり、生産性も高いとされています。
  • セルフィッシュ(自己中心的)なゴールの問題点:オリンピックでの優勝や大金持ちになることは、一見するとゴールになりがちですが、本質的にはセルフィッシュなゴールであると指摘されています。大金持ちになるということは、誰かから巻き上げることと同じであるという考え方も示されています。自分自身がストレートに望むことがセルフィッシュなゴールであれば、何か間違っていると考えるべきだと述べられています。セルフィッシュなゴールは現状の内側に留まり、現状の外側のゴールとは対照的です。自我を前面に出すとセルフィッシュになりやすいとも言及されています。
  • 現状の外(現状の枠の外)のゴール:コーチングでは、現状の外のゴールを設定することが重要です。現状とは、構造的な変更(法律の改正やマインドの構造的な変化など)がない限り続くことであり、単に日々の行動を変えるだけでは現状の枠内です。現状の外のゴールは、自分のマインドを構造的に変えて初めて達成できるものです。アンセルフィッシュなゴールは、認知科学的に見ると現状の外側にあるものと同じ意味合いを持ちます。現状の内側にあるセルフィッシュなゴールとは異なり、現状の外のゴールは容易には見つかりません。それは、現状維持を基本とする自我(評価関数)の働きによるスコトマ(盲点)が原因であると説明されています。

2.現状と現状の外について

  • 現状の定義(社会システム):社会システム(法律、国会など)における現状とは、何らかの構造的な変更が行われない限り続くことです。法律の世界では、法律を改正しない限り続くことは全て現状とされます。
  • 現状の定義(マインド):人間のマインドにおける現状とは、マインドを構造的に変えない限り続く全てのことです。例えば、飲み物を変えたり、旅行先を変えたりしても、マインドの構造が変わっていなければ、それらは全て現状の範囲内とされます。
  • 現状の外のゴールとの関連:現状の外のゴールを達成するには、自分のマインドを構造的に変える必要があります。それは、自我という評価を書き換えることでもあります。現状の外のゴールを設定することで、今まで重要でなかったものが重要になる可能性があります。

3.ブリーフシステム(信念システム)について

  • 定義:ブリーフシステムとは、私たちが無意識の中で判断し行動していく基盤となる寄り所であり、ルールのようなものです。それは、宇宙を自分にとっての重要性で並び替える関数、つまり自我であると定義されています。英語のブリーフシステムという言葉に対して、日本語では「自我」と訳す方が概念を理解しやすいと説明されています。
  • 形成要因:ブリーフシステムの基本は、遺伝的な情報ではない限り全て後天的であり、社会的な判断は全て後天的です。多くは子供の頃のすり込みであり、大人になってからの本の情報やテレビの情報なども含まれます。外から入ってきた情報で、自分自身がそれを受け入れたものがブリーフシステムとなります。
  • 自我との関連(評価関数、並び替え関数):ブリーフシステムは自我であり、関数として捉えられます。具体的には、入力されたもの(宇宙の全て)を自分にとっての重要性で並び替えて出力する評価関数であり、並び替え関数です。自我は、宇宙の全てを重要度の順に並び替えるものと理解できます。この評価関数によって、何が自分にとって重要かが無意識的に決定されます。ゴールを設定するということは、この評価関数である自我を書き換えることでもあると説明されています。
  • ゴール設定との関係(ブリーフシステムを変えないと達成できないゴール):ブリーフシステム(自我)を変えない限り、達成できないゴールしかゴールとして設定してはいけないというのが、コーチングの基本的な考え方です。評価関数がゴールを選び出すのではなく、ゴールを設定することによって評価関数が変化します。

4.スコトマ(盲点)について

  • 原理(重要だと認識していることしか見えない):スコトマの原理とは、今自分にとって重要だと思っていることしか見えないということです。多くのものは無意識に切り捨てられてしまいます。例として、普段意識していない自分の鼻の頭や座っているお尻の感触が、言われると急に意識されるようになる現象が挙げられています。現状は自分にとって重要なものの集まりであり、それ以外のものは見えません。重要な時に初めて見えるようになります。
  • セルフィッシュなゴールとの関連:ゴールを自我側から作ろうとすると、見つかるものは全てセルフィッシュなゴールになります。
  • 現状の外のゴールを見つける難しさ:現状からゴールを見つけようとすると、現状の中のゴールしか見えず、現状の外のゴールは見えません。これは、スコトーマの原理と、現状維持を基本とする自我の働きによるものです。

5.コーチングの基本について

  • クライアントのゴール達成:コーチングとは、クライアントのゴールを達成させることです。
  • エフィカシー(自己能力の自己評価)の向上:コーチングで最も重要な作業は、クライアントのエフィカシーを上げることです。エフィカシーとは、ゴールを達成する自己能力の自己評価のことです。

6.エフィカシーについて

  • 定義:エフィカシーとは、ゴールを達成する自己能力の自己評価のことです。自分自身の能力に対する評価であり、どれだけ自分がゴールを達成できると信じているかということです。
  • 重要性:コーチングの基本であり、ゴールを達成するためにはエフィカシーを高めることが非常に重要です。
  • セルフエスティームとの違い:エフィカシーは、自分のポジション(社会的地位や成績など)に対する自己評価であるセルフエスティームとは異なります。セルフエスティームもコーチングで役割を果たしますが、初心者の段階ではエフィカシーほど重要ではありません。
  • 向上方法:エフィカシーは自己評価であるため、自分でいくらでも上げることができます。評価を下げる人の言葉(ドリームキラー)を聞かないことが重要です。アファメーションは、エフィカシーを高めるための有効なテクニックの一つです。また、アンセルフィッシュなコーチの存在も、クライアントのエフィカシーを高める上で大きな役割を果たすと考えられています。

7.ホメオスタシスについて

  • 原理(安定的な状態を維持する傾向):ホメオスタシスとは、人間が常に安定的な状態を維持しようとする傾向のことです。これは無意識の力であり、努力とは言えません。
  • 情報空間におけるホメオスタシス:ホメオスタシスは物理空間だけでなく、情報空間にも働きます。人間は一つの安定的な状態(ゲシタルト)しか維持できないため、現状というゲシタルトとゴールの世界というゲシタルトが存在する場合、臨場感の高い方へとホメオスタシスが働きます。
  • ゴールの世界への移行:ゴールの世界の方が現状よりも臨場感が高まると、無意識の力であるホメオスタシスが働き、そちらの状態へと移行していきます。この移行は、努力なしに自然に起こるとされています。

8.アファメーションについて

  • ルータイスの提唱(ワーズ、ピクチャー、イモーション):アファメーションは、ルータイスが提唱した、言葉(Words)、イメージ(Picture)、感情(Emotion)を伴う自己暗示の方法です。これらを統合したものが臨場感です。
  • 臨場感の重要性:臨場感の高い方が、ホメオスタシスによって選ばれ、現実化しやすいとされています。
  • アファメーションの作成方法(1人称、現在進行形、感情を込める):アファメーションを作成する際には、1人称で、まるで今その状態が起こっているかのような現在進行形の言葉を使い、感情を込めることが重要です。目標達成後のありたい姿や感情を具体的に表現します。
  • 効果:アファメーションを繰り返すことで、ゴールの世界の臨場感が高まり、エフィカシーが向上し、ホメオスタシスがゴールの達成へと導くと考えられています。
  • セルフコーチングにおける活用:セルフコーチングの初期段階では、アファメーションを紙に書き出し、声に出して読むことを推奨しています。朝起きてからと夜寝る前に、それぞれ5個から10個程度のアファメーションを行うと良いとされています。
  • プロのコーチとの関連:プロのコーチの存在自体が、クライアントにとって強力なアファメーションとなると考えられています。アンセルフィッシュなコーチがクライアントの味方となり、ゴールの達成を心から信じることで、クライアントのエフィカシーと臨場感が高まります。

9.趣味と職業について

  • 共通点(止められてもやりたいこと):趣味職業も、どちらも止められてもやりたいことであるという共通点があります。
  • 相違点(社会への機能提供):職業は社会に機能を提供することで成立しますが、趣味は誰の役にも立たないことが多いとされます。お金の出入りはどちらにも関係なく、社会への貢献の有無が区別するポイントです。
  • ゴールの設定との関連:職業で悩んでいる人は、まず趣味を徹底的に探すことが推奨されています。それは、自分の評価関数を書き換える良い訓練になるからです。アンセルフィッシュなゴールを設定することで、これまで見えなかった職業が見えてくることもあります。

10.ファイナンスと健康について

  • バランスの重要性:ファイナンス(お金)も健康も、多ければ良いというものではなく、バランスが重要です。収入と支出のバランス、資産の形成、健康状態の維持など、全体的なバランスを保つことが大切です。
  • ゴール設定との関連:ファイナンスと健康は、個人のゴール設定全体の中でバランスを保つべき要素として捉えられます。

11.コーチの役割について

  • アンセルフィッシュであること:良いコーチはアンセルフィッシュであり、クライアントの利益を最優先に考えます。
  • クライアントの味方であること:プロのコーチは、クライアントの父親、母親、兄弟よりも、心からクライアントの味方であると考えています。
  • アファメーションとしての機能:アンセルフィッシュでクライアントの味方であるコーチの存在は、クライアントにとって強力なアファメーションとなり、ゴール達成を強く後押しします。コーチはゴールの世界の臨場感の体現者であると言えます。

    と、ここまでが1stくらいです。
    第二段階、第三段階、最後は仏教哲学とコーチングの融合?(笑)

用語集

  • コーチング:クライアントの目標達成を支援するプロセス。知識やスキルを教えるのではなく、クライアントの内発的な力を引き出し、自己成長を促すことを目的とする。
  • コーチ:コーチングを行う人。クライアントの目標達成をサポートする専門家。
  • ルー・タイス:1970年代に本格的なコーチングを始めたとされる人物。フットボールコーチとしての経験を基に、教育や企業分野にコーチングの概念を導入した。
  • アンセルフィッシュ:他者貢献の意識が高いこと。利他的なという意味合い。ゴール設定においては、個人的な利益だけでなく、他者や社会への貢献を含む目標が重要視される。
  • 現状:個人の現在の状況や認識の枠組み。コーチングにおいては、この枠組みを超える「現状の外」のゴールを設定することが重要とされる。
  • ブリーフシステム:個人の無意識のレベルで行動や判断を左右する信念や価値観の体系。認知科学の用語。
  • 自我:ブリーフシステムを分かりやすく日本語で表現した言葉。宇宙を自分にとっての重要性で並び替える関数として捉えられる。
  • エフィカシー:ゴールを達成するための自分自身の能力に対する自己評価。自己効力感とも呼ばれる。コーチングにおいて最も重要な要素の一つとされる。
  • エスティーム:自分自身の価値や社会的な立場に対する自己評価。自尊心とも呼ばれる。エフィカシーとは評価の対象が異なる。
  • コンフォートゾーン:個人が慣れ親しんだ環境や思考パターン。コーチングにおいては、ここから抜け出し、新しいことに挑戦することが成長につながるとされる。
  • アファメーション:目標達成に向けた肯定的な自己暗示。目標達成した状態を現在形で表現し、繰り返し意識することで臨場感を高める。
  • 臨場感:まるで現実であるかのように感じる感覚。ゴール達成においては、目標達成後の状態をリアルに想像し、臨場感を高めることが重要とされる。
  • ホメオスタシス:生体が内部環境を一定の状態に保とうとする機能。心理的なレベルでも働き、現状維持の力として働く。コーチングにおいては、ゴールの臨場感を高めることで、ホメオスタシスを目標達成の方向に働かせることを目指す。
  • スコトーマ:心理的な盲点。重要であるはずの情報が見えなくなってしまう状態。ゴールを設定し、臨場感を高めることで、スコトーマが外れ、チャンスが見えるようになるとされる。
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